たった2本のワインが私の体を蝕んだ。
のどの渇きと共に塩分がほしい。
頭に浮かんだ文字、それはラーメン。
ねえ、ラーメン食べに行かない?
ん?オレの気分はジンギスカンだ。
あっそうか。
私の頭からラーメンは離れない。しかし後追いでジンギスカンが走ってくる。
私は珍しく、男の言う事を聞いてジンギスカンを食べる事にした。
早速店を探す。
昼からのジンギスカンは久しぶりである。
札幌で昼からジンギスカンを食べられる店は限られてくる。
遠出もしたくないので、狸小路のライオンに行く事にした。
昼過ぎ13時半。店には客がいない。
多分サッポロビール園やアサヒビール園に客はいるのであろう。
席に着き取りあえずビールを注文。
今日は沢山飲む自信がない。なにせ昨日の今日なもんで。
北海道の人は昼から店でジンギスカンを食べるだろうか。
昼から食べるとしたら野外で食べるであろう。
店員から見ると私たちは観光客に見えるだろうか。
いや見えるわけないべさ。
店員がジンギスカン鍋にもやしを入れてセットしてくれた。
やはり観光客に見えるのか。
そして一組の客がやって来た。親子である。
親子は食べ放題を頼んだ。
母親はハンディキャメラをカバンから取り出し、息子とジンギスカンを撮っている。
息子はジンギスカンを食べる事に夢中だが、
母親は箸の持たない片手でスマホをいじっていた。ながら食いだ。
どう見ても観光客の親子はジンギスカン鍋に野菜を入れた。
店の人はセットしますか?など聞いていない。
1時間もせず、電車の時間だといい親子は帰っていった。
北海道の人は電車とは言わない、JRと言う。やはり観光客であろう。
親子が帰ってしまったので、また私たちだけになった。
生ラムを見ながら私は、
ねえ、ひょっとして丸いジンギスカンが食べたかったんじゃない?
すると男は、
うん。ベルのタレでマトン食べたかった。
やっぱりね。ジンギスカンのハシゴする?
すると男は、こう言った。
オレは、君の笑顔でお腹が一杯さ。
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